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研究紹介
「マイクロ波」で電気エネルギーを送る
みなさんは、ふとしたときにスマートフォンを使って電話やインターネットができることを不思議に思ったことはありませんか?スマホにはひとつも線をつないでいないのに、離れた人に音声やメッセージを送れるのはどうしてなのでしょう。
実は、スマホからは目には見えない「マイクロ波」が飛び出ていて、音声や文字の情報を運んでくれています。スマホ以外にも、電子レンジでコンビニ弁当を温めたりするときに「マイクロ波」は役に立っています。私たちは、この縁の下の力持ちである「マイクロ波」を使って電気エネルギーを送る研究をしています。
電気エネルギーを飛ばして送るなんて大丈夫?と思った人も心配はご無用です。そのために私たちは、たくさんのアンテナを使って狙った場所に正確にマイクロ波を送る技術(レトロディレクティブ)の研究や、人体に影響がない程度の薄いマイクロ波から出来るだけ多くの電気エネルギーを取り出す装置(レクテナ)の研究を進めています。
マイクロ波によって電気エネルギーを送る技術が向上すれば、スマートフォンを充電したり、センサーをバッテリーレスで動かしたり、洋上風力発電所や宇宙太陽発電所からクリーンな電気エネルギーを地上に届けることができるようになります。
生活を便利で豊かにする電気エネルギーは、現在、化石燃料を大量に使用することによって供給されていますが、その影響によって気候変動や環境破壊が引き起こされつつあります。私たちは、マイクロ波電力伝送技術の研究開発を通じて、人間活動と自然環境が調和した持続可能社会の実現に貢献することを目指しています。